いつも同じ夢ばかり見ていた。
とてもとても寒いところにいる自分。
どんなに力を入れても指一本動かせない。
見えるのは、七色に変化する光の幻想。
そして、暗転……
「……例のものが、見つかった」
もう何度か聞いた声。
激しい憎しみが裏に潜んでいる。
でも不思議と怖くはない。
「わかりました。皆さんに伝えてください。すぐに出発します」
すぐ近くで優しい声が答えた。
何か、心の奥に響いてくるものがある。
「すいませんね、少し急いでいかなければならない用事ができてしまいました」
「どのくらい……待ってればいいんですか？」
「それは、わかりません。
……でも帰って来るときには、あなたを治してあげることが出来るようになっているかもしれませんよ。
いや、必ず治してあげられるはずです」
「……本当……？」
「ええ、だから良い子にしていてくださいね」
「……はい」
あたたかい手が、頭を撫でてくれている。
優しさ？ それとも……
知っている言葉では、その感覚は表せなかった。
げーむますたー（以下、ＧＭ） 時間も押してますし、そろそろ始めましょうか。
まずは、お約束の自己紹介をしてもらおうってことで、順番にどーぞ。
ぷれいやーＡ（♀） 名前はラーズ＝クラリオ。女です。身長・体躯はＭＭ。タイプ的にはリナですね。ステータスが『火』だし。
魅力値が、［対異性＋３］、［威圧感＋２］なんで、ナーガっぽくやろうかなーと思ったんだけど、隣にナーガがいるんで（笑）
私はフツーっぽくやります。
ぷれいやーＢ（♀） アリステア＝ガーニアです。アリスちゃんと呼んでやってください。
性別は女、背丈はＭ、体躯は「ないすばでぃ」のＬです（笑）
ＧＭ ひょっとして、ねらってます？
アリステア 別にねらったわけじゃなくて、魅力度が見事にナーガになっちゃったんです。
［対異性−２］なんで、きっと変な格好をしてるんでしょうってことで（笑）
あ、ステータスは『水』です。
ＧＭ なるほど。
ぷれいやーＣ（♂） ウォルター＝クレイトンと言います。気楽にウォルターって呼んでやってください。
ＧＭ そのままやんけ！
ウォルター まあまあ。
もちろん男で、身長がＳ、体格はＭ。ステータスは『土』
スレイヤーズキャラの中では特に目指すタイプはないんだけど、魅力値が［印象−２］のくせに、［正義＋３］で、他が［±０］。
……いったい、どーいうキャラクターにしたらいいんだーっ!?（笑）
ＧＭ ま、やってくうちに何とかなるでしょ。
ぷれいやーＤ（♂） 名前はクルス＝ステイバード。
男でして、魅力値は［対同性］［対異性］［正義的］が全体的に高め。
［印象］は低めですけど。ステータスは『風』です。
ＧＭ 美形キャラみたいですね、どーやら（笑）
ラーズ あ、今気付いたんですけど、このキャラシートには年齢を書く欄がないんですね。
ＧＭ ……そーいや、そーだね。本にするときには修正しとくから、今日のところは、そのへんに書いといてください（笑）
年齢は能力値と関係ないですから、自由に決めてくれていいです。
アリステア じゃあ１８。
ラーズ １９歳っと。
ウォルター ２３にしとくか。
クルス では、２２歳ってことで。
ＧＭ はーい。他に何かありませんか？ なければ、プレイを始めまーす。
あ、そうそう。今日は異界黙示録（クレアバイブル）を用意してますんで、質問があったらいつでもどうぞ。
ただし写本なんで、ちょっとあやふやなとこがあるかもしれないけど（笑）
ＧＭ 最初の舞台は……
ラーズ ぜったい宿屋の一階のごはん屋さん！
ＧＭ ぴんぽーん（笑） ライゼール帝国領内のどこかにある、とある町のメシ屋さんです。
時間の都合で、皆さん最初から知り合いの、怪しい旅の四人組ということで。
ラーズ ……あたしはフツーなんですけど……
ＧＭ こーいう連中と一緒にいる時点でもうまっとーじゃないんですよ。いくらゼルがフツーのふりしてもダメなのと同じで（笑）
で、皆さんはちょーど昼食を食べているところです。
ウォルター よし、サイコロステーキにしよう。
アリステア じゃあ、わたし達は、てりやきチキン（笑）
クルス とんかつ（笑）
ＧＭ ついさっき食べてきたばっかのプレイヤーの昼食と同じやんけっ（笑）
……いや、別にかまわんけど……
と、平和に昼食を食べていると、一人のおじーさんが、あわてた様子で店内に駆け込んできました。
ラーズ あのっ、ゲームのモードは長編モードですか？ それともＳＰモードですか？
ＧＭ 最初は気楽にＳＰモードでやってください。
ラーズ やったあ！ 味方を巻き込んで魔法使っても平気！
アリステア おっけー！（笑）
ＧＭ ちなみに、おじーさんは服装が全身赤い服で、フサフサの白いヒゲをたくわえている、季節外れのサンタクロースみたいな人ですね。
見た目に、わりと人は良さそうです。
ウォルター なんだなんだ？
ＧＭ じーさんは店内を見回してから、みんなのいるテーブルに向かって、だーっと走りよってきます。
ウォルター オレは何も悪いことはしてないぞーっ（笑）
ＧＭ 「おまえさん達は旅のもんじゃなっ!?」
クルス そうですけど。
ＧＭ 「でもって、かなりの強者と見たっ！」
ウォルター んー、ご想像におまかせします。
ＧＭ 「ふっふっふっ、老いたりといえどもこのラルス、人を見る目は確かじゃ。
お前さん達は、まちがいなく強者じゃよ」
ラーズ 怪しげな人だから、シカトしてごはん食べてる。
ＧＭ じーさんは、それでもかまわずに、「お願いじゃ！ カリンを……わしの孫娘を助けてくれ！」と言う。
クルス （急にキリッとした口調になって）その話、くわしく聞かせていただきましょうか（笑）
ＧＭ 「うむ。とある用があったんで、孫娘のカリンを連れて隣り町まで出かけたんじゃが……
その途中でルルイエ団と名乗る野盗どもに襲われてのう。手持ちの有り金を奪われたうえに、カリンも連れ去られてしまったんじゃ……」
アリステア ルルイエ？（笑）
クルス ……ということは、ボスはやっぱりクラーケンとか（笑）
ウォルター だったら、すごく嫌だな……（笑）
（注：ルルイエの元ネタは、 『クトゥルー神話』関係です）
ラーズ カリンちゃんて、いくつ？
ＧＭ 「今年で１２歳じゃ」
クルス …………
ラーズ かわいい？
ＧＭ 「もちろん、かわいい。わしの孫娘じゃからなっ」
ウォルター ……そればっかりは会ってみないとわからんよな……
ラーズ ルルイエ団は、カリンちゃんをさらって、どうするつもりなんだろ？
やっぱり身代金目当てとか？
ウォルター でも、ルルイエ団って名前からして、何かものすごいことに使われそうな気が……（笑）
ところで、ルルイエ団って何人ぐらいいたんですか？
ＧＭ 「２０人以上おったぞ。囲まれて逃げようがなかったんじゃ」
ラーズ この辺りって、そんなに治安が悪いんですか？
ＧＭ いや、そんなこともないはず。
クルス 警備兵には伝えられない事情でもあるんでしょうか？
ＧＭ 「この辺りの警備兵はあまりあてにならんでのう。それに、地元の人間には頼めない事情があってな……」
ウォルター ほう、それは？
ＧＭ 「ルルイエ団は、町から川沿いにしばらく行ったところにある洞窟を、ねぐらにしとるんじゃが……
その洞窟は伝説の大魔道士ヌクレドが研究室として使っていたと言い伝えられておっての」
ウォルター 大魔道士ヌクレド……？
ＧＭ 「うわさでは、かのレイ＝マグナスと同等の実力を持っておったとか、実は正体は化け物じゃったとか……
言い伝えは、かなり昔からあるらしいから、今も生きているということはないじゃろうし、だいたい本当にそんな魔道士が存在したのかどうかも、怪しいもんじゃが」
アリステア ファジーな伝説ですね。
ウォルター 伝説とはファジーなものです。
ＧＭ 「ともかくそういうわけで、地元の者はみんな、怖がって近付こうとすらせんのじゃよ。
ルルイエ団はそれをいいことに、ヌクレドの洞窟をねぐらに決めたんじゃろう」
クルス なるほど。
ラーズ じゃあ変なトラップが仕掛けてあるってこと？
アリステア やだなー。
ＧＭ 「いや、それだけならまだよかったんじゃが……
実は、お前さん達の前にも、女魔道士を雇って、ルルイエ団を倒してカリンを助けてくれるように頼んだんじゃ……」
クルス それでどうなりました？
ＧＭ 「……洞窟の入口でザコ数人と戦闘になったんじゃ。
そしたら、その女魔道士め、いきなりどでかい呪文ぶっ放しおって……
確かにザコどもは一掃されたが、呪文の余波で洞窟の入口も崩れて塞がってしまったんじゃ……
そういうわけで、慌てて町に戻ってきたんじゃ。
ちなみにその女魔道士は、近くの崖から蹴り落としてやったわい」（笑）
アリステア その女魔道士、プレイヤーには覚えが……（笑）
ラーズ いちおうその女魔道士の外見を聞いておきましょうか（笑）
ＧＭ 「みだら恥ずかしい服に、トゲの付いたショルダーガードだの、ドクロのペンダントだの……（笑）
怪しい格好をしとったから、わしも『こいつに頼んだのはまずかったかなー』とか思わんでもなかったが、とりあえず実力はあるとわしの目が告げておったんで……」
ウォルター ……もしかして、このおじいさん、見るのは実力だけで、人格は問わないんでは？（笑）
クルス その洞窟に他に入口はないんですか？
ＧＭ 「見たところ無さそうじゃった」
ウォルター 別に引き受けてもいいんですが、大変そうな仕事ですね。まず、土を除けて穴を掘って……
ラーズ ひょっとして、あたしらに土木作業をやれってこと？
穴掘る呪文ってなかったっけ？
アリステア えーと、『地精道（ベフィス・ブリング）』ですね。
クルス 誰か『地精道』使える人いましたっけ？
ラーズ 『地精道』使える人〜
クルス しーん（笑）
ラーズ ……じゃあやっぱり、つるはしで……（笑）
ＧＭ 「あんまりゆうちょーな事やっとると、カリンがルルイエ団もろとも窒息してしまうかもしれんし、できれば急いでほしいんじゃが……」
クルス とりあえず現場に行って見てみた方がいいんじゃないでしょうか。
ラーズ その前に、引き受けるんだったら……（と言って、指でお金のマークを作る）
アリステア （同じく指でマークを作って）やっぱり、これしだいですか（笑）
ＧＭ 「持ち金は全部取られてしまってないんじゃが、取り返してもらえたら、金貨で５０枚……」
ラーズ 一人５０枚？
ＧＭ 「全員で５０枚じゃ」
ウォルター 四人で分けるには半端なんですけどー。
ＧＭ とは言いますけどね、金貨５０枚ってかなりの額なんだぞ……
異界黙示録 うん、相当な価値がある。１金貨＝約４万円で換算してください。
ＧＭ 金貨５０枚だから２００万円くらい……
ウォルター それなら、別にいいんじゃないですか？
ラーズ じゃあ、とりあえず行ってみますか？
クルス そうですね。おじいさん、案内していただけるでしょうか。
ＧＭ 「もちろんじゃ。ただし洞窟の前までじゃぞ。あとは任せるからな」
ウォルター そりゃあもう、まーかせてください。
ラーズ あ、そうだ。カリンちゃんの外見を教えてください。他に何人かさらわれてた時に、見分けがつくように。
アリステア 髪の毛の色とか。
ＧＭ ああ、なるほど。（少し考えて）「髪と目は栗色」
ラーズ ＧＭの言い方からすると、さらわれたのはカリンちゃん一人だけしかいないな。
ＧＭ そーゆー裏読みは邪道なんだよ〜（笑）
ラーズ すいませーん（笑）
ラーズ あたし、このおじいさんが赤い服着てるから、「えっ、レゾ!?」って思っちゃった。
クルス きっと還暦か何かだったんだ（笑）
アリステア わたしは印象度で負けたかなって思った。
ラーズ 対抗してピンクの服にしたら？（笑）
いっそのことピンクハウス系に しちゃうとか……
アリステア いーかも！ ピンクハウスに、ガイコツのアクセサリーと黒いマント着けてるってことで（笑）
ＧＭ そ、それなら確かに、印象は強烈だけど、異性は近寄らないだろう（笑）
クルス 道を歩いとったら、避けていかれるような（笑）
ウォルター ……そんなのと一緒にいる我々は確かにフツーじゃないな……
ラーズ なっとく（笑）
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