ウォルター とりあえず、カリンちゃんを起こしましょうか。
クルス 起きたらいきなりじいさんが死んでるってのはショックが大きいと思うんで……
ウォルター 少し離れたところに運んでから喝を入れて起こします。
ラーズ 気付いたみたいですか？
ＧＭ 気は付いたようですけど、まぶたは閉じたままです。
ラーズ 指でまぶたをぐにっと……
ＧＭ おいおい。触れようとすると、手で払いのけられます。
ラーズ あ、嫌われてる。
ＧＭ カリンちゃんは、「すみません、あたし生まれつき目が見えないんです」と言う。
ウォルター ああ、なっとく。
ラーズ ……やな予感……（笑）
クルス でもキャラクターは何も知らないんだよなぁ……（笑）
ＧＭ 「ここはどこなんでしょう？ 皆さんはどなたですか？」
クルス ……えーっと……おじいさんに頼まれて、野盗にさらわれたカリンちゃんを助けに来たいきさつだけを話します。
おじいさんが死んだことは言いません。
ＧＭ 「助けていただいて、ありがとうございます。でも……おじいさんって、どんな人ですか？」
アリステア え？
ウォルター 君のおじいちゃんのラルスさんだよ。
ＧＭ 「そう言われても……知り合いにラルスって人はいません」
ラーズ がびょーん。
ＧＭ 「あたしは捨て子で、家族はいませんから……」
ラーズ 良かった。本当のおじいさんが死んだわけじゃなさそう。
ウォルター じゃ、どういういきさつで誘拐されたんだ？ 覚えてるところまででいいから話を聞けないかな？
ＧＭ 「あたしは……」
生まれて間もなく親に捨てられた場所でもある小さな村の教会で、カリンは精いっぱい働いて生きてきた。
十二年間、暗闇の世界の中で。
いや、正確にはそうではなかった。
知り得るはずのない、光は、色はあった。毎晩のように見る夢の中に。
いつか見たいと思い続けていた。夢から覚めたあとも……
ある日、村に赤法師様という偉い人が来ました。
法師様はどんな病気も治すことができるって聞きました。目の見えなかった人も、法師様のおかげで見えるようになったって。
あたしも法師様の治療を受けました。
でも、あたしの目は開きませんでした。
あたしの目が見えないのは、法師様と同じ症状だからかもしれないってことでした。
法師様も、自分と同じ症状の者と会ったのは、あたしが初めてだったそうで、とっても驚かれていました。
それで、あたしは法師様の旅に一緒に連れていってもらえることになりました。
それからしばらくして、法師様が前から探していたものが見つかったとかで、法師様は仲間の方々と、どこかへ出かけて行かれました。
帰って来るときには、あたしの目を必ず治せるようになってるって……
あたしは、仲間の方数人と一緒に、法師様の帰りを待っていました。
それから後はちゃんと覚えていません。
大勢の人が、いきなり襲ってきて……魔法か何かで眠らされて……
ＧＭ 「……誰かが『欠片（かけら）かもしれない』って言ったように聞こえたのが、記憶に残っている最後です」
クルス ……はうううう……
ラーズ 複雑だよ、これってー！
アリステア プレイヤーにはわかるけど、キャラクターはわからない（笑）
ウォルター これからどうするんですか？
クルス キャラクターには裏事情はわからないから、今まで暮らしていた村の教会まで連れていってあげることくらいしかできないなあ。
ウォルター そうだねえ。放って行くわけにはいかないから、村まで送り届けてあげましょう。
なあに、お代は結構（笑）
ＧＭ 「親切にありがとうございます。村に戻れたら、今までどおりに暮らしていきます。
……また、法師様にお会いできたらいいんですけど……」
シナリオ１／『どーくつの秘密』 おわり
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